専門用語もやや多くなっておりますが、なるべくシンプルに書いてみます。
↑僕が使っているミキサー卓。
ここに各種シーケンスデータおよびPAチームからのモニターが立ち上がっています。
担当現場・楽曲内容によって形式は様々ですが、大体以下のようにある程度チャンネルを分けています。
・Rhythm 1
メインチャンネル。Loop、breakbeatsほかパーカッション・SEなど。
・Rhythm 2
サブチャンネル。PAが特に独立して触りたくなるであろうものをリクエストに応じて。
・Synth・Inst
鍵盤もの、シンセ等々。
・Strings・Brass
・Extra
ボコーダー、トーキングモジュレーターものなど特殊なトラック。
その他必要に応じてシンセベースなど。
・Chorus
声ネタなど。
・Click
ドラマーへの優しさを(大切)。
これをメインのADAT HDとサブのStudio Oneからそれぞれ同じものを表と裏に立ち上げ、DCAで切り替えができるようにしています。
さて遡って音源ソース…僕の場合はStudio Oneですが、ここにある全てのトラックを卓の各チャンネルにアサインします(同信号はデジタルでADAT HDにも流れ、AD/DAされた信号が卓に入ります)。
もちろんStudio One上で各トラックのバランスや音色作りをしているので、つまりはグループバスとして卓のチャンネルを使っているわけですね。
次は卓上の各チャンネルをPAへアウトするのですが、PAチーム側の要望によってその数も変わってきます。
それは例えば、先方の回線の都合であったりシーケンスセクションへの考え方などで上記インプット内容と同じものをそのまま欲しいと言われる時もあれば、リズムとシンセの二系統にまとめて欲しいとリクエストされることもあり、その場合は音階ものは全てシンセチャンネルへまとめます。
特にこの「まとめた」シチュエーションにおいて、卓上にインプットで分けた意義が強く出てきます。
ライブの流れ上ハウスエンジニアさんがここでシーケンスを突きたいと思った時、まとまっている場合は本当に出したい音(例えばテーマのシンセ)以外も一緒にレベルが上がってしまうことになり、結果不必要な音も空間を占拠して全体のバランスが崩れてしまう可能性があるのです。
そういった場合、こちらで必要なチャンネルのみをフォローして上げればそういった問題も起こりにくくなります。
(それにはもちろん事前の打ち合わせや本番後の音源チェックなど、楽曲とシチュエーションに関するお互いの意見交換が必須です)
このようにフレキシブルにフェーダーやEQ・卓のエフェクターなどでバンドサウンドと「熱量」を共有し馴染ませ、全体としての「バンド・サウンド」にしていきます。
逆にまったく触らず、ハウスエンジニアさんに「同じもの」を渡すやり方も正しいと思いますし、シーケンス(マニピュレーターセクション)とはそういうものだと考えている方も多い気がします。
あくまで僕のやり方、ということで。
この他にPAチームからモニター用にハウスミックス(最終的にお客さんが聴くミックス)ともモニターミックス(自分用にバランスを作ってもらったミックス)をもらいますが、現場によってはどちらか片方しかない場合もあります。
「なんで二系統必要なの?」と言うと…(次回へ続く!)
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