2014年7月9日水曜日

BABYMETALヨーロッパツアー終了! / BABYMETAL

フランス~ドイツ~イギリス3カ国を巡るヨーロッパツアーにライブマニピュレーターとして参加してきました!

フランスはパリ、ドイツはケルン、そしてイギリスはロンドンの他ネブワースSonisphere、ワンマン3本とイベント1本の計4公演、大盛況の中幕を閉じることが出来ました。
僕は昨年12月のシンガポールと年明けて2月の台湾にも同行しましたが、今回は初の神バンドを引き連れての海外ツアーということでいつも以上に皆の力を結集して挑めたのではないかと思います。
ツアーはその土地ごとのお客さんの顔・反応の違いに出会える楽しさが醍醐味ですが何しろ海外ツアーですので街どころか国まで違うわけですから、こちらも毎回「どうくる、どうなる?」の連続でした。
蓋を開ければどのステージでもこちらが煽られてしまうほどのお客さんの反応で、僕らも負けじと返すというベストバウトの連続!
本当に素晴らしい瞬間がステージの中と外、双方の力で紡ぎ続けられて「これぞライブ!」と実感しました。

「いつもと同じように、最高のパフォーマンスを繰り返す」
僕がライブ現場で常に意識していることです。
それは必ず同じタイミングで同じことをするという意味ではありません。
ライブという不確定要素が絡み合う空間において、その瞬間が最も生き、幕が閉じたあとに「良かった!楽しかった!」と感じてもらえるように尽力すること。
僕の担当セクションは機械を使いますから、言ってしまえば同じ動作はほぼ100%再現できると言えます。
ですが、ライブの最後のピースであるお客さんの反応が毎回違う以上、それは在り得ないのです。
例えば一曲終わって次の曲までの曲間、もちろん指針となるものはありますが正解はその瞬間までわかりませんし正解にするのが僕の役割でもあります。

お客さんはどんな反応をするか?
歓声か拍手か、それとも息を呑んでしまってじっと次を待つ?
反応があったとして、それはどれくらいの速さでどれくらいの長さか?
バンドの状態は、ギターを持ち替えてる?何かの調整をこの間にしている?
メンバーは次の準備に入っている?息を整えているのならどこがベストか?

これ以外のセクションの要素も加味して次へ進み、それがすべて繋がったときに「いつもと同じことが繰り返された」と言えるように”プレイ”する意識を持って挑みます。
そしてステージに関わるすべての人々が同じ気持ちでいることによって、あの空間が作られているわけです。

狐様に導かれた3人の使者は回を追うごとに強く逞しくなってきています。
ステージ中でさえその過程を肌で感じることが出来ましたし、本当にどこまで行ってどうなってしまうのだろうと楽しみでなりません。
これまでの活動で培ってきた経験と元から持っている天性のものに加え、去年の夏に出演したたくさんのフェス・イベントである種の覚醒があったようにも思います。
そういった意味では今回のツアーの合間に参加したSonisphereの、しかもメインステージでのパフォーマンスは極めつけだったのかもしれません。
実際に目撃した人々の反応がどうだったかを僕の目からは書けませんが、ステージが終了して撤収作業に入った僕に周りの現地スタッフの人々から「良かった!」と声を掛けてもらえたこと、そしてその中のひとりにどう感じたかを尋ねたときの言葉が答えのひとつのような気がしました。

「(想像していたメタルとは)違ったな。だがしかし、素晴らしかったよ!」

BABYMETALはアイドルとメタルの融合を掲げています。
よく彼女たちを評するにあたって「~だから~だ」あるいは「~じゃないから~だ」というのを見かけますが、そのほとんどは先の二つのどちらか片方から(しかもかなり振り切った視点から)の意見ではないかと感じます。
どちら側でも楽しめることは大切にしつつ、二つの真ん中に立って初めて見えた景色こそがBABYMETALの全てなのかもしれません。
賛否両論、大いに結構。
ただ、真ん中の眼を持たずに語るのは非常にもったいないし、持てないのはもっともったいない。
もし今回のツアーをきっかけに興味を持ってくださった方がそこに辿り着いてくれたなら、関わっているライブスタッフの一員としてこれほど嬉しい事はありません。
(あ、この現場ではバンドメンバーではないのです。やっていることは普段とまったく同じですがスタッフチームとしてバックアップ!)


今月は7/21の渋谷O-EASTの他に下旬から始まる北米でのワンマン、フェス、そしてLady Gagaのオープニングアクト(!)と大忙しの彼女たち。
次はどんな景色を見せてくれるのか、今から楽しみです!


追記
個人的な感想ですが、ツアー初日のパリ公演のとき、海外での初めてのコール&レスポンスの時のお客さんのパーフェクトな返しを聞いた時、胸がいっぱいになってしまいました。
そしてふとメモを見返してみたらLegend三部作シリーズのために初めてミーティングしたのが2年前の9月。

もうすぐ2年が経とうとしている、早い!