2015年5月16日土曜日
グレーゾーン
無線を合法的な手段で聞くのは問題ないが、それを誰かに話した瞬間に違法となるとのこと。
なるほど、聞くこと自体に引っ掛かりを感じなくはないですが、それを自分の中だけで留めておく分には誰にも分からないわけですから問題にはならないと…。
昨年は海外でのお仕事が多く、いわゆるFamcamと呼ばれるお客さんによるライブの録音録画に関する話題が身近にある状態でした。
お国柄、それを良しとする(或いは対処しきれないので黙認、放置する)ケースは少なくないようですが、主催側がはっきりと撮影NGを表明しているところでも依然減ることはないようです。
こと日本に関しては撮影OKがレアケースというくらい、開演前には必ず注意事項としてアナウンスが入りますね。
このグレーゾーンに僕が何故しっくりこなかったのかが今回の運転手さんのお話でようやく分かりました。
そのブツを、自分の枠から外に出してしまうという行為・意識に「アウト!」を感じていたんだなと。
バレなきゃOKという問題でもないと思いますが分からなければこちらが知る由もないので、そこは一旦横に置いておくとして…形はどうあれ"外に撒く"行為に及んだ時点でグレーから黒になるわけです。
撒く意識、それを探す意識。
検索したらあっさり出てきてしまう程になってしまった情報の軽さ、それを「その程度のものだから」と思ってしまう意識の軽さに少なからず危機感を感じます。
意図せぬ情報流出を回避し、その上で皆が楽しめる環境になるためには、一体どんな方法が良いのでしょうね。
2015年5月8日金曜日
きっかけは
一本の電話。
ディレクターさん(以降「D」)「宇佐美くん、いま大丈夫?」
宇佐美(以下「宇」)「はい、大丈夫です」
D「宇佐美くんて自分で曲書いたりしてるんだよね?」
宇「はい、歌ものは最近始めたばかりなのでまだまだ勉強中ですけど」
D「打ち込みしたりシンセ持ったりしてるんだよね」
宇「はい」
D「じゃ、☓☓日に◯◯が作曲するんだけど、マニピュレーターやってくれない?」
宇「はい!やりますやります!」
D「OK、じゃあよろしくお願いしまーす」
宇「あ、すみません」
D「ん?」
宇「マニピュレーターってなんですか?何するんでしょうか」
D「あぁ。◯◯からこうしてって言われたことをやってくれれば大丈夫!」
宇「わかりました!よろしくお願いいたします!(全然わかってない)」
今から15年前、僕のマニピュレーターデビューが決まった瞬間でした。
たぶん、ほぼそのままの会話です。
ちなみにこの◯◯さんはゴスペラーズ村上氏。
全貌を把握してないままレコーディングスタジオへ自分のパソコンや沢山のシンセを持ち込み、いざ作業スタートとなります。
で、実際のところ何をしたか?
以前のエントリーに書いたことそのままなので詳しくはこちらのエントリーを見て頂ければ早いのですが、簡単に言えば村上氏の頭の中にあるトラック(各楽器の音色・演奏、アレンジ)のイメージを実際の音として具現化する作業でした。
実は、当時僕はいくつもシンセやドラムマシンを持っているわりには扱いにそこまで詳しい訳ではなかったので、こんな感じの音が欲しいと言われてその場で手持ちにない音色を作るのに苦労したことを覚えています。
雨音の「ぽちゃっ」をカウベルから作ったのはこの時ですね(笑)
こんなニュアンスでエレピ弾いてと言われて「村上さんが思うニュアンス」は何なのかを探りながら弾けない鍵盤と格闘してみたりと、いま思い返しても随分と僕待ちの時間が多く申し訳なかったなぁと…。
トラックがある程度出来てからは今度は仮歌を録ったりアレンジを更にブラッシュアップしたりと、とにかく盛り沢山な一日でした。
お昼から始まって終わったのが翌朝だったな〜。
自分の経験のなさが大爆発していた初サポートだったと思うのですが、その時の僕のトラック作りや絞り出したなけなしのアイデアを気に入って頂けたことがゴスペラーズの作曲合宿への参加のきっかけとなったようです。
それ以降、メンバーの作曲サポートをさせてもらっているうちにコーラスアレンジの仕方、なによりメロディーや歌詞に対するシンガーの気持ちの乗せ方などが分かるようになり、その後の自分の作編曲業への礎になっています。
ライブサポートでもシンガー、プレイヤー、パフォーマー、そしてお客さんの気持ちを汲んでセッションするということが大事ですので、初心から芽生えた枝葉は様々な場面に活かされています。
きっかけはいろいろ、です。