今回もマニピュレーターとして生演奏以外のパートを全力サポートしておりました。
お客さんの反応という、もっともライブなシチュエーションに毎回応えていくのが僕の役割のひとつでもあるのですが、この二日間(特に初日)はいつもの感じとちょっと違うもので新鮮でした。
THE ONEメンバー限定ということですから、今回が初めてという方も当然いらっしゃったでしょうしセカンドアルバムリリース後の日本での初ライブでもあったので皆さんの「今回のライブはどうなるの?」感がステージ上から見ていても伝わってきていました。
僕の曲間マネージメントの方針はステージ上の条件をクリアした上でお客さんの反応になるべく沿った形でストーリーを作っていくことと考えています。
拍手や歓声の立ち上がりのスピードからその減衰の仕方を察知、反応、推測してガッチリと次に繋がった時がこの仕事の醍醐味です。
ただしこの事自体に興味を示し理解・評価してくれるのが同業者くらいしかいないので果てしなく地味なのですが(笑)…とそんなときに今日映像チームと話していて嬉しかったのが、曲間で挟まるVTRスタートのタイミングはその日の僕のノリを受けて「今日は攻めで、今日は溜めで」とやっていると言ってもらえたことでした。
時には煽り、時には熱を冷ます。
MCがあるアーティストだとその言葉の温度感やテンポにも敏感になります。
BABYMETALはMCがないのでとにかく音(お客さん含む)重視です。
すべては逆算からのアクションですが、ギターの持ち替えやチューニング、メンバーの立ち位置移動、照明のフェードタイム等々から時にはじっくりと待つことも大切です。
この逆算方程式には楽曲に対する理解が大きく関与します。
曲自体の内容は当然ですが、終わり方がどうなっているかにフォーカスすると予測の手助けになるので最初はとにかく聴きこんで、そして好きになることが大事ですね。
最後がじゃーんと打ちっぱなしというのとズバっとカットアウトでは曲が終わった余韻が当然違いますし、そこへの反応も変わってきます。
例えば「KARATE」だとアウトロのアンビエントな音色のピアノやシンセとエフェクティブなコーラス、そこに照明で余韻を残す終わり方ですが、この場合だと「……‥‥・・ぅぉぉぉおおおお」と反応が来ることが多いです。
一方「イジメ、ダメ、ゼッタイ」だとバンドで「ジャジャッ!」とキメで終わる締め方。
BABYMETALをやるようになって勉強になったのは、こういった終わり方でもアーティストによってその後のお客さんの反応が全然違うことでした。
他での感覚だと「ジャジャッ!(その曲のテンポ感で2〜3拍)ゥワーーー!」ということが多いのですが、ここだと「ジャジャッ!ウオーーーーーーーー!!!!」と物凄く早いのです。
というか多分、BABYMETALではすべてにおいて反応は早めかもしれません。
立ち上がりが、速い。
最初に書いた「いつもとちょっと違う」はこの立ち上がったあとのことなんですが、今回はドンっと立ち上がってスゥっと引けていくことが結構な場面であり、今までに見られた立ち上がりっぱなしでゆっくり降りていくのとは対照的でした。
ライブ、だなぁ。
初出しの曲がある場合などはお客さんも終わりがどうなるかは完全に分からないわけですから予測が殆どを占めます。
あまり大緊張はしない僕でもこの時ばかりは五感がパーンと張り詰めます。
そして多分、一番楽しい瞬間でもあります…マニピュレーターはMの資質があると良いかもしれません(笑)。
なんだか曲間の話に終止してしまいましたが、そんな綱渡りをしながら楽しい二日間になったのではないかと思っています。
ライブの最後の1ピースはお客さんです。
オーディエンスは聴くプロ、音楽を楽しむプロ。
ステージのこちら側とそちら側、プロフェッショナルが揃った時に起こるミラクルは花火のように美しい!
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